top of page

むかーし、むかしのものがたり。

深い森の奥ふかく、めったに人もよりつかないようなその場所に、
いばらで囲まれた小さなお屋敷がありました。
そこにははっとするほどうつくしい少年が、長い白衣をひるがえし、
ランタンを持つ黒子の侍女を引き連れて、夜ごと地下へと降りていきます。

近くの村のものたちは、子どもたちによーく言い聞かせるのです。

あの研究所には行ってはいけないよ。
きれいな顔をした博士につかまって、恐ろしい屋敷の住人のえさにされてしまうから。


あなたは、その博士の助手になるために、馬車を乗り継ぎ長い道を経て、
ようやくその森にやってきました。

暗い夜、不気味なお屋敷の扉を叩くと、ぎぃと軋んだ音とともに扉が開きます。
そして黒服の女性が、ベール越しににこりと微笑むのです。
「ようこそいらっしゃいました」…と。

bottom of page