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あのね、少しだけ、私の話を聞いてくれませんか。

「私」はずっと、どこにもない白い世界にいるの。

あるとき、そこに「彼」がやってきた。鮮やかな色を引き連れて。

名前はもう忘れてしまったから、Nonって呼んでる。

 

嵐のように現れて、そうして去っていった彼に、

今でも私は心惹かれてやまない。

 

それなのに、こんな真っ白な世界じゃ、記憶も定かにとどめていられなくて。

 

彼の顔も、彼の声も、彼の歌も、なにもかも。

目を閉じて語ればもう一度、思いだせる気がするから。

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